講義情報
- 地震物理学特論
学生に学んでほしいこと
研究室における教育の目的は、研究遂行能力の「レベル上げ」ではなく、将来に役立つ「スキル」を身に付けることだと思っています。そして、その究極的なスキルとは、将来のキャリアにおいて何かスキルが必要になったとき、いかに自ら学ぶことができるか、という能力だと思います。自分が本当に面白いと思えるテーマに自ら取り組み、そのために必要な努力をする、という過程を経験することで、そのような「学び方」を学んでほしいと思っています。そのためには、教員に指示されたことをやる作業ではなく、学生が主体的に研究に取り組むことが必要であり、本研究室では、教員が一方的に教えるのではなく、教員と学生が「ともに学ぶ」という方針をとっています。
研究テーマの決め方
具体的な研究テーマを決めるまえに、まずは、じっくりと地震について学び始めるのが良いと思います。勉強していく中で、とても基本的なことでも、まだ分かっていないことが、たくさん見つかると思います。そうした内容で研究をすすめるのも良いと思います。研究対象としては、地震をキーワードに、火山や氷河での研究も可能です。アプローチも、観測・データ解析・シミュレーション・数理モデルなど、多岐にわたります。地震のデータ解析といっても、地震波形を解析するのか、地震のリストを解析するのか、複数の選択肢があります。シミュレーションにも、地震断層の破壊のシミュレーションと、地震波の伝播のシミュレーションがあります。観測についても、特定の現象を対象にした観測か、新たな解析手法を試すための観測か、観測システム開発か、という選択肢があります。まずは、地震学や地球物理学の基礎を学びながら、学会などにも参加して研究の世界の広さを感じとってから、研究テーマを決めれば良いと思います。また、いちどテーマを決めた後でも、研究を進めていく中で、研究の方向性が変わることもあります。研究テーマを決めることがスタートではないので、その時々にいちばん興味があることを辿っていきながら、自分自身のゴールを見つけだしてください。