地震の発生メカニズム
地震がなぜ起こるのか、というのは非常に重要ながらも難しい問題です。自然界における地震の発生条件と言えるものは、少なくともまだ分かっていませんし、決定論的には永遠に分からないかもしれません。しかしながら、どのように個々の地震が発生したのか、ということはある程度調べることができます。そうした観測事実を積み重ねていくことが、地震に関する理解を深めるためには重要です。また、発生したての地震が、どれくらい大きな地震まで成長するのかも、巨大地震の理解には鍵となる問題です。実際には、ミクロな不均質により、紙一重のところで、地震が終了するか、成長しつづけるか、決まっている可能性もあります。このような予測可能性に関わる大問題についても、大きな地震と小さな地震を包括的に理解することで、何かわかる事があるのではないかと考えています。
地震発生システム学の創成
地震の震源では、様々な物理・化学プロセスが働いています。このような素過程を一つ一つ突き詰めることも大切ですが、一方で、ミクロなプロセスを不均質まで含めて全て把握することは、現実的に不可能です。マクロな観測量と照合していく意味でも、地震現象をマクロな地震発生システムとして捉えることが大事だと考えています。